HIROアート工房ブログ
■古今雛がお待ちしております。
2015年02月27日
古今雛は、明和年間(1764~72)に、江戸池之端仲町の雛問屋大槌屋半兵衛が、日本橋本石町十軒店の人形師・原舟月に創らせ、「古今雛」と名づけて売り出したものです。丸顔に引目鉤鼻の優雅な顔が特徴で、18世紀後半の江戸でもてはやされ、公家や上級の武家の間では流行とかかわりなく雛の本流として長く重んじられたといわれていた次郎左衛門雛の人気に陰りが見え始めた寛政10年(1798)頃に「江戸生まれの雛」として圧倒的な人気を得た後、京や大坂にも広まったそうです。
この古今雛の特徴は、写実的な顔と、金糸や色糸などで刺繍が施された見た目のきれいな装束、さらに江戸末期のころには、雛の眼に水晶やガラスがはめ込まれるなど、つくりも精巧で何より華麗であるところでした。
古今雛はけっして安価なものでは無かったようです。
舟月の古今雛一対を二両で買い取った大槌屋は、商値として二両二分をつけたといわれています。ちなみに文化文政年間(1804~29)、飯炊きや雑用をする女中の給金一年分が一両から二両の間だったことを思うと、雛人形一対で二両二分とは、容易に手を出せない高額と言えます。
それでも売れゆきはよかったのは、人形の良さなどわからなくても「舟月の雛」というだけで皆が欲しがったことです。
このお雛様は秋田から出てこられた方がお持ちの物を寄付いただきました、年代はわかりませんが明治時代の作だと思います。雛5体と台座だけでしたがお道具類を集めて飾っています。玉川学園雛めぐり期間中(3月3日まで)HIROアート工房で大小97体のお雛さまがお待ちしております。
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